平成22年7月15日
三戸の歴史ひもとく
筑波大大学院教授ら町立図書館訪れ
江戸-大正の文化・産業調査




 筑波大大学院の教授らが9、10の2日間、三戸町立図書館を訪れ、同図書館が所蔵する江戸時代から大正時代にかけての史料を調査、当時の三戸町の文化や産業の状況を浮き彫りにした。

産物出荷拠点として繁栄


 調査に訪れたのは、筑波大大学院人文社会科学研究科の浪川健治教授、生命環境科学研究科の加藤衛拡教授、同大学院生4人と筑波大の山下須美礼助教。

 史料は旧三戸町役場の書類や個人寄贈された書物など約400点で、中には江戸末期に日本に伝えられたロシア正教の教会が、明治時代に三戸にあったことを示す書物もあった。また、1917(大正6)年の町の人口統計表によると、全人口5700人のうち、商業者が約2千人を占めていたことが分かった。

 浪川、加藤両教授は「明治時代までは農業者の割合が高かったが、東北線が開通したことにより、急速に商家が増加した」と分析。さらに、「養蚕や果樹栽培なども盛んだったことから、三戸はさまざまな産物の出荷拠点として栄えていた」と説明した。

 三戸町立図書館の相馬英生さんは「専門家の目が入ることで、新たな発見がある。今回の調査結果は図書館の歴史講座などで伝えていきたい」と話していた。

「デリー東北」平成22年7月15日



平成22年度 三戸町立図書館歴史講座の日程


月日      講師      テーマ
5月15日(土)相馬英生 三戸町立図書館
          三戸石井家「万日記」の世界?江戸時代を中心に)  終了
6月19日(土)中園美穂 青森県史編さん委員
          「山の十和田」と「海の種差」?景勝地の近現代史  終了


7月17日(土)市毛幹幸 青森県史編さん室
          幕末、ロシア領事の三戸通行について
8月21日(土)中園 裕 青森県史編さん室
          三戸小学校の修学旅行
9月18日(土)工藤利悦 「近世こもんじょ館」主宰
          聖寿寺館焼亡事件と南部信直の半生について(疑問)
10月16日(土)柴田知二 二戸市埋蔵文化財センター
          鎌倉武士の館?二戸市諏訪前遺跡?
11月20日(土)下村恒彦 八戸市博物館
          博物館と民俗について
12月18日(土)藤田直行 軽米町教育委員会事務局
          東北三大農書『軽邑耕作紗』と軽米町元屋・淵沢家
1月15日(土)野田尚志 三戸町教育委員会事務局
          発掘された三戸城?
2月19日(土)千田政博 洋野町立種市図書館
          種市の歴史

時間 14:00?16:00
場所 三戸町立図書館 2階 視聴覚室
※ 事前申し込み不要 参加料無料です お気軽においで下さい。

三戸町立図書館 0179-22-1731


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