平成14年10月10日
威風堂々?武者たちのダンディズム?
盛岡市中央公民館郷土資料展示室企画展 開催中



盛岡市中央公民館では「威風堂々?武者たちのダンディズム?」と題して企画展が開催されています。 主催者の弁   江戸時代、将軍を頂点に大名、侍どの武士たちは、自らの存在感を示す    ために実用性だけではなく、武者としての威厳と好みをおりまぜなが   ら、様々な衣裳、武具甲冑、調度品等の道具類をあつらえてきました。   南部家伝来の資料を中心に特に男ものにスホットを当てて、多様な衣裳   の種類、鎧のタイプ、刀剣などを介して、当時のファッションに迫りま   す。   開催期間は、平成14年10月11日(金)から11月24日(日)    休館日は10月15・21・28日、11月は11・18日です。      会場は 盛岡市中央公民館郷土史料展示室            盛岡市愛宕町14-1        詳細は 電話 019-654-5366 FAX                                工藤利悦 【展示資料の一覧】     平成14年度盛岡市中央公民館郷土資料展示室秋の企画展    「威風堂々?武者たちのダンディズム?」展示資料一覧表 No 展示資料名             点数  備考(所蔵者等) 1 本小札萌黄裾紅糸鍼二枚胴具足    1領 中央公民館蔵(南部家寄贈資料)                        【南部利雄所用盛岡市指定文化財】 2 銀装衞府太刀拵           1腰 岩手県立博物館所蔵 3 梨地向鶴紋刀掛           1台 盛岡桜山神社所蔵 4 赤地丸向鶴紋散銘打毬装束      1領 中央公民館蔵                        【平成14年度新規岩手県指定文化                         財指定資料】 5 濃緑段地丸向鶴紋丸松巻模様浮紋紗狩衣                     1領 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 6 赤地紗縫腋袍[衣冠束帯装束]    1領 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 7 薄茶地双鳥立涌破小葵錦絵直垂    1領 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 8 垣御所車枝垂桜文段唐織       1領 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 9 黒絽地肩衣             1着 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 10 立烏帽子              1点 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 11武家官女装束着用図          1帖 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 12 笏                 1点 中央公民館蔵(南部家寄贈資料)                        【南部利敬所用】 13 漢詩三編巻物(徳川斉昭筆)     1巻 個人寄託資料 14 金小札紺糸絨二枚胴具足       1領 個人寄託資料                        【内堀家伝来品】  15 銀本小札白糸毛引威二枚胴具足    1領 中央公民館蔵(宝裕館コレクション) 16 小札紺糸威二枚胴具足        1領 個人蔵 17 紫羅紗地南部家定紋散火事装束    1領 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 18 南部利幹筆「鍾馗図」        1幅 岩手県立博物館所蔵 19 楢山佐渡画像(写本)        1幅 盛岡市先人記念館所蔵 20 南部利直公画像(写本)       1幅 中央公民館蔵 21相馬大作所用刀            1腰 盛岡桜山神社所蔵 22 折鶴紋熨斗目            1領 個人蔵                        【伝北家伝来品] 23 雉子尾雌雄御太刀拵         1組 中央公民館蔵                        【岩手県指定文化財】 24 黒漆地水戸葵紋散略太刀拵      1腰 中央公民館蔵(宝裕館コレクション)                        【徳川氏 南部明子輿入れ道具】 25 狩野休円画「三番叟」        1組 中央公民館蔵(宝裕館コレクション) 26 赤鶴「男蛇」            1面 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 27 能面「怪士」            1面 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 28 緑羅紗地陣羽織           1領 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 29 前田利家起請文(南部信直宛書状)  1巻 中央公民館蔵(南部家寄贈資料)                          [22・7?15] 30 前田利家書状            1適 中央公民館蔵(南部家寄贈資料)                                 [22・7?20/1] 31 中啓                1扁 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 32 祖山公御扇子            1扁 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 33 脇差(刀身銘 秋水帯霜寒)     1腰 中央公民館蔵                        【岩手県指定文化財】 34 岩鷲山透鍔(他、郷土刀装具)    4点 岩手県立博物館所蔵 35 楊弓                1組 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 36 南部侯江戸城登城行列図       1巻 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 37 老松釜               1点 個人蔵                        【盛岡市指定文化財】 38 金梨地向鶴紋菊唐草蒔絵香枕     1点 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 39 金梨地向鶴紋散金銀松橘椿蒔絵重箱  1点 中央公民館蔵(南部家寄贈資料)                        【提重道具】 40 日光東照宮御祭礼絵巻        1巻 中央公民館蔵(南部家寄贈資料) 41 北畠顕信教書(南部雅楽助宛書状)  1幅 中央公民館蔵(南部家寄贈資料)                 計41件44点                 [期間によって一部展示替があります]  展示会場からの        ---展示資料ワンポイント紹介---                          ◎赤地御紋散銘打毬装束     あかじまるむかいづるもんちらしにしきだきゅうしょうぞく                                      盛岡市中央公民館所蔵    赤色の絹地に牡丹唐獅子と向鶴紋を金糸で織り込んだ錦地の衣裳。    江戸時代後期のもので、「打毬」という騎馬競技の際に着用したもの    と伝えられている。上衣のえりは大陸風の立襟となっており、はでや    かな装飾性に加えて異国情緒ただよう一品となっている。    今年度岩手県指定文化財に指定定されているが、全国でも珍しい形態    の衣装である。 ◎能面「男蛇」 のうめん「おとこじゃ」                      盛岡市中央公民館所蔵    南部家に数多くあった態面の中で最も名品とも伝えられた能面であ    る。かつて将軍徳川綱吉の目にもとまり、しばらくの間預けていたと    さえ伝えられている。作者は赤鶴(しゃくつる)と言われる中世の能    面作家で、生没年出生地など不明の謎の人物であるが、鬼系の面を得    意とし、南北朝期に活躍したと伝えられている。現在では真作の鑑定    は難しく、鬼面作家の中で最も名を残した人物として紹介されてい    る。女性の怨霊(おんりょう)の面である般若(はんにや)の面に似    ているが、それより一層鋭く、強い表情を見せる。 ◎垣御所車枝垂桜文段唐織    かきごしょぐるま・しだれざくらもんだんからおり                                         盛岡市中央公民館所蔵    地色を茜、緑、茶の三色を段替わりに染め分け、その上に御所車と枝    垂桜を各段に交互の向きで金糸で織込んで仕上げた能衣装。重厚で豪    華な仕立てとなっている。その形態は、詰袖の形式をとる小袖と基本    的には変わらないが、舞い易さを考えて通常の衣装よりも丈が短いの    が特徴である。江戸時代中期に南部家でも盛んに能が催されたことを    示す衣裳である。 ◎家紋散太刀拵(銀装衞府太刀拵)ぎんそうえふたちこしらえ                      岩手県立博物館所蔵      金具は全て銀づくしの太刀で、鞘には金梨地に翔鶴と雲が高蒔絵され    た豪華なものである。鍔(つぱ)は銀地葵形.衞府太刀は、朝廷の衞    府の武官のおびた細身で鞘に蒔絵をした飾り太刀のことで、本来は公    家の武具であった。そのため元は実用品であったが、装飾性が強ま    り、鎌倉時代に入ると公卿が式用に用いるものとなった。この拵(こ    しらえ)は江戸時代後期のものである。 ◎南部利直公画像 なんぶとしなおこうがぞう                      盛岡市中央公民館所蔵      城下町盛岡を築いた南部利直(1576?1632)の青年期の姿を昭和期    になってから描き写したもの。利直公の遺影には、この他に衣冠束帯    姿のものや鎧姿のものが残されている。その姿は、父信直を助け盛岡    藩10万石の基礎を築いた精悍な面影となっている。袖には家紋であ    る向鶴、上下には九曜の紋が描かれている。利直公は前田利家(加賀    藩祖)から「利」の字を与えられたり、蒲生氏郷(会津領主)の妹を    迎えるなど早くから将来を期待され、徳川家康の信任も厚く、水戸徳    川家初代頼房(よりふさ)の後見に指名されるなど、その才能をいか    んなく発揮した文武に秀でた武将であった。墓所は盛岡市北山の東禅    寺にある。 ◎紫羅紗地火事装束 むらさきらしゃじかじしょうぞく                      盛岡市中央公民館所蔵    江戸時代、大火に悩まされ続けた幕府は、正徳年間(1711?1716)    頃より大名火消しの制度を整えた。陣頭指揮を行う大名が身につける    衣装は、次第に‘大名火事装束’として定型化していった。南部家伝    来の火事装束は、厚地織の紫羅紗を使用し、頭には向鶴紋の前立てを    乗せた兜(かぶと)を被った。紫羅紗の生地には白羅紗で南部家の家    紋である、向鶴・九曜・武田萎・松笠・花菱が大きく刺繍され、金    モールで縁取りがなされている。紫羅紗によって、顔以外の部分を覆    い隠すことができた。ドラマでよく見る忠臣蔵において、大石内蔵助    が浅野内匠頭の形見として討ち入りの際に所持していたのが同様の火    事装束である。 ◎前田利家書状:まえだとしいえしょじょう                      盛岡市中央公民館所蔵    南部家26代当主となった南部信直(後の盛岡藩初代藩主)にあてた    前田利家からの書状。天正19年(1591)に書かれたものと思われ    る。この年、北東北は戦国最後の動乱期であり、現在の二戸地方を中    心に九戸政実(くのへまさざね)が信直、ひいては豊臣秀吉政権への    反逆を起こしていた。信直軍は大苦戦を強いられ、秀吉政権軍の到着    を待っていた。書状の発せられた7月に秀吉政権軍は京を出発する    が、書面においても「反逆者たちの掃討を第一に…」と書かれ、秀吉    の意向を利家が伝える形の文書となっている。その結果は2カ月後の    9月になって九戸の乱を鎮圧し、戦国の世に終止符が打たれることと    なった。 ◎束帯衣装 赤地紗縫腋袍         そくたいいしょう あかじしゃほうえきのほう                         盛岡市中央公民館所蔵    盛岡藩第11代藩主南部利敬(1782?1820)所用の衣装と伝えられる    もので、宮中における正装である。位階によって着用する色が決めら    れており、特に許されて青または赤の袍を着用することもあった。

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