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| 南部家の名宝 1-2 刀剣 道誉一文字 亀甲貞宗 附「刀剣名物帳」 |
| 梅原 廉 |
| 名物物「道誉一文字」・「亀甲貞宗」の二振は南部家が所有していた。 ◎太刀 道誉一文字 長さ 80.0糎 反り 3.8糎 元幅 3.3糎 先幅 2.35糎 ○姿 鏑造、庵棟、丈長く、身幅広く、腰反り高く踏張は強い。猪首切先 ○地鉄 目の細かい大板目肌に盛んに丁子映りが立つ ○刃文 華やかな大房の丁子乱れ、やや逆ごころの長足がはいり、激しく葉が 散り、また処々に金筋も交じる 切先の刃は小乱れ込み、先は尖って僅かに返る。彫物はない ○中心(茎) 生ぶ、大型.区下に鏨目浅く「一」と刻している.鑢目は勝手下り ○備考 現所有者 御物 昭和三年南部利淳献上 当時所有者 松平伊予守(池田綱政) 名称の由来 佐々木道誉の号、道誉からとる 伝来 ・佐々木高氏は北条高時剃髪の時、一緒に髪を落して道誉と 号した。のち足利尊氏に従い、終始行を共にして変らず忠節を尽 くす。近江国の守護となる.応安6年(1373)卒.年68 ・鞘書に「道誉一文字御刀 尾張中納言綱誠卿ヨリ被進」と記さ れている 備考 文政十一年『御宝蔵御腰物帳』(南部家文書) 長弐尺六寸四分 中心七寸弐分 一、道誉一文字御刀 一腰 乱刃 享和三年亥八月御研被仰付 尾張中納言綱誠卿より被進 貞享元年極代金百枚折紙添 一、御白鞘御ハバキ二重上無垢下銀台金着 御刀袋萌黄椴子 此御刀名物に付 本阿弥方より公義え書上置 ◎刀 亀甲貞宗(磨上無銘) 長さ 70.9糎 反り 2.4糎 元幅 2.7糎 先幅 1.8糎 ○姿 鏑造、庵棟、大磨上げであるが、反りは普通. 身幅は細く、先は小切先.表裏に二筋樋があり、指表は区下で掻流し 裏は掻通している. ○地鉄 小板目つまり、厚く地沸つき、地景や地斑映りがある. ○刃文 のたれ調の小乱れ刃、小足入り、刃縁ほつれて砂流・金筋かかる. 切先の刃は乱れ込み、掃掛けて先尖り、少し返る. ○中心(茎) 茎は大磨上げ、先は栗尻、指裏の茎先の平に一個の亀甲花菱文の彫り がある.所有者の標識か. ○備考 御物 国宝 当時所有者 将軍家 名称の由来 亀甲花菱文の彫物からとる. 伝来 ・松平出羽守(直政)、のち土方家、そして南部家へ、 更に尾張家へ ・元禄11年(1698)3月18日将軍綱吉、尾州邸に臨む 中納言綱誠、亀甲貞宗の刀と宗瑞正宗の指添を献上 (『常憲院実紀』) ・宗瑞は安芸中納言宗瑞(毛利輝元)の号からとる. ・御物 明治20年徳川家達献上。 ・長さ25.1糎、元幅2.3糎、元重ね0.44糎 ・平造、三つ棟 姿は尋常であるが少し先枯れごころ 地は大板目、処々に荒沸つき大肌交じる。刃文は表は腰ひらきの 小互の目乱れ、裏は大互の目乱れで総体に沸は荒い.切先の刃は 掃掛けて火炎となり、返りは長い 彫物は表は素剣、裏は腰樋に添樋、いずれも掻流す。 茎は生ぶ、少し反る.筋違の鑢をかけ、先は剣形尻.無銘. 附 『刀剣名物帳』 享保4(1719)年11月 ・、性格 享保時における名刀の実態で、名物調査では最後の、しかも公 的な決定版 ・、構成 上・中・下の三巻 ・、内容 上拳 粟田口の吉光、相州の正宗、郷の義弘の3人分の計68ロ 中巻 畿内、東海、東山など諸国の名工の作品 下巻 焼身の作品] 副本[名物の追記25口 ・、名物の条件 1、名品であること 2、その上に由緒を語る何らかの特別の名前がついていること ・過半数は持主の名前 童子切安綱、鬼丸国綱、数珠丸恒次 道誉一文字など ・居住地に因む名前 会津新藤五、日光一文字など 形による名前 大包平、大三原、大青江、小国行 小青江など ・重ねの厚さによる名前 厚藤四郎など ・形の変わっているもの 包丁正宗、切刃貞宗など ・刃文の特異さによるもの 乱藤四郎、三日月宗近など ・彫物によるもの 不動正宗、愛染国俊など ・切れ味からとったもの 籠手切正宗、籠手切郷、ヘシ切長谷部 鉈切長光など ・、名物の種類
・刀は元来が太刀であったのを大磨としたもの ・殆どが室町末から桃山時代にかけての頃になされた ・鎌倉25口(正宗22口、一文字2、藤四郎1) ・南北朝 48(郷18、左9、貞宗6、兼光3、貞次2、志津3など) ●うち正宗6、郷5、左4、兼光3、末青江2、 ヘシ切長谷部と大三原各1は金象嵌銘 その内13口は光徳の極め
・、名物の主なもの
・ 享保年間の所有者 将軍家 30口 前田家 24口 尾張徳川家17口 紀州徳川家10口 水戸徳川家 4口 津山松平家 6口 黒田家 7口 岡山池田家 4口 島津家 4口 伊達家 4口 浅野家 3口 稲葉家 3口 水口加藤家 3口 奥平家 2口 阿部家 2口 大久保家 2口 井伊家 2口 本多家 2口 鳥取池田家 2口 京極家 2口 愛宕山 1口 久遠寺 1口 本阿弥家 1口 ・20余家 各1口 ◎ 「刀剣名物帳」上巻
*H.P「まちと物語り」石瀧豊美氏「武士道から見た黒田騒動」によって教えていただいた。**『寛政重修諸家譜』巻第425黒田忠之譜および『徳川実紀』台徳院殿御実紀巻20 慶長17年12月18日条によって捕捉した(平成17.6.25) 【参考】 南部家の名宝 1 刀剣 南部家の名宝 2 鉄炮 南部家の名宝 3 甲冑・陣羽織・旗・幟・馬標・采配など 南部家の名宝 4(完) 茶道具 奥道具 ほか |
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