小野　おの

小野隆之助家　210121

明治元年の支配帳に小野隆之助家がある。『参考諸家系図』によれば小野権左衛門を祖と伝える。権左衛門（のち権七）は盛岡十三日町の商家であった。その女の春が重信世子行信の末女中を勤めた縁により召出され、五人扶持（高三十石）を食み、外に四季施一両一歩を擬われた。元禄中死去した。その跡を権十郎春常（伊藤所左衛門正盛の六男、のち権左衛門、享保十三年死去）━権十郎春隅（享保十三年家督、御舫所物書、宝暦十一年死去）と相続。春隅し家老織笠弾正の求めにより『自然未聞記』を起した。その跡を権八春冨（のち丹右衛門、丹治、礼帳所雇物書目付所物書兼帯を勤め、明和七年死去）━栄吉春豊（上領権蔵の二男のち栄左衛門、丹右衛門、隅屋敷取次、目付所物書、礼帳所物書、舫所物書、別段廻りなどを勤めた。天保八年に隠居）━栄助春芳（のち栄左衛門、丹右衛門、雇勘定方、奥錠口番を勤め、嘉永三年死去）━栄治（のち権六、嘉永四年死去）━権太郎春誠（のち隆之助、千春、勘定方、維新後は史生試補）と継いだ。明治十一年の士族明細帳によれば、春誠は三ツ割村（盛岡市）二十七番屋敷に住居と見える。その跡を春風━賢太郎━力と相続、力で家名は絶えたが、他姓となった旧盛岡藩士桑田の権利継承者は千葉県に在住している。 　諸士リスト（う?お） 　盛岡藩士の家系メインリスト