05 覚書 おぼえがき |
藩庁文書 家老席日録 |
【藩の日記・年表】 盛岡市中央公民館所蔵・南部家旧蔵文書。(盛中23-4─7) 【史料の概要】 「雑書」同様に編年体の家老席執務日誌。 収録年代は天保元年分2冊および、天保十二年以降明治三年九月二十九日まで65冊、このうち次の6冊が欠落している。天保十二年七月から十二月迄、嘉永二年正月から四月迄、嘉永四年正月から四月迄、嘉永五年正月から四月迄、文久二年正月から六月迄、明治三年十月から十二月迄。 【史料批判・雑感】 史料形態は「雑書」が縦帳であるのに対して横帳である。記載内容は「雑書」と同じであるが、天保元年分は「雑書」が無いのに対して「覚書」が存在する。「雑書」は天保十一年で擱筆となっている一方、『覚書』は同十二年から始まる事は、書名は異なるが、推して「雑書」の後を受けて書き継がれた一連記録であるものと知られる。 【刊本】 平成五年に岩手県立博物館は文政十三年分を『盛岡藩覚書・文政十三年』として刊行。その後、平成十二年十月に岩手県立博物館覚書研究会は「元治二年正月元日より慶応三年末まで」を「家老席日誌覚書」【慶応編】全一巻、次いで「慶應四年正月元日より明治三年九月二十九日まで」を【慶応編】全一巻(新南部叢書・別巻)(東洋書院)を刊行している。斬時、刊行する予定である由と聞く。これまで天保以降の記録は殆ど刊行されることはなかっただけに、全巻早期の刊行が望まれている。 |