条々 一、公義之船者不及申、諸廻船共に遭難・風時は助船を出し、船不破損様に成程可入精事、 一、船破損之時、其所ちかき浦の者入精荷物船具等取揚へし、其場所之荷物の内、浮荷物は弐拾分一、沈荷物は拾分一、川船ハ、浮荷物三拾分一、沈荷物弐拾分一、取揚者に可遣之事、 一、沖にて荷物はぬる時は、着船の湊におゐて、某所之代官・下代・庄屋出合遂穿鑿、船に相残荷物・船具等之分可出証文事、 　　附、船頭浦の者と申合、荷物盗取之はねたるよし偽申にをひてハ、後日聞といふとも、船頭ハ勿論申合輩悉可被行死罪事、 一、湊に長々船を懸置輩あらは、其子細を所之もの相尋、日和次第早々出船いたさすへし、其上にも令難渋は、何方之船と承届之、其浦之地頭・代ぇ急度可相達事、一、御城米廻之刻、船具・水主不足の悪船に不可穣之、并日和能節於令船 　破損ハ船主沖之船頭可為曲事、惣て理不尽之儀申懸之、又ハ私曲於有之者可申出之、縦雖為同類其科をゆるし、御褒美可被下之、且又あたを不成様に可被仰付事、 一、自然寄船并荷物流来におゐてハ取揚へし、半年過迄荷主於無之は揚置輩可取之、若右之日数過荷主雖為出来不可返之、雑然某所之地頭・代官指図を受へき事、 一、博奕惣て賭之諸勝負弥堅可為停止事、 右条々可相守、此旨若悪事仕におゐてハ申出へし、急度御褒美可被下之、科人ハ罪之軽重にしたかひ可為御沙汰者也、 　　　寛文七年閏二月十八日 　　　　　　　　　　　　　　　　　奉行

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